2022.04.12

CARS

エントリーEVでもしっかりとメルセデス流 メルセデス・ベンツEQA250に5人のモータージャーナリストが乗った!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

メルセデス・ベンツ EQA 250

全ての画像を見る

advertisement


清水草一、吉田由美の両名に続いて石井昌道、斎藤慎輔、佐野弘宗が試乗。やはり、電動パワートレインの中でも生きる“メルセデスらしさ”が気になったようだ。

パワートレインが主張しすぎない点もメルセデスらしい/石井昌道

最近は街でもちらほらと見かけるようになったメルセデスのEQシリーズ。ブラックパネルのグリルやLEDが左右テール・ライトを繋ぐのが特徴で、EQAなのかEQCなのか瞬時に見分けがつかないものの、なんか普通のメルセデスと違うというのは分かり、いち早くBEVに手を出したのはどんな人なんだろうと、思わず運転席をのぞき込みたくなってしまう。勝手に想像すると、エンジン車のメルセデスを愛用してきたユーザーが試しにチョイ乗りしてみたら、その乗り味の良さに惚れて思わず乗り換えてしまった、なんて人が多いのではないだろうか。EQAに改めて試乗してみると、たしかにメルセデスであり、しかもメルセデスらしさが電気モーターによって強調されていると感じる。低回転からトルクがあってレスポンスが良く、しかも静かで滑らかなEV特有のフィーリングは、快適で頼もしく、でもパワートレインが黒子的であんまり主張しないメルセデスそのものだ。乗り心地も、ゆったりと落ち着いた上下動が心地いいメルセデス的なものだが、バッテリーの重さがそれを強調しているのだった。



EV感を強調しすぎない自然体っぽさが好印象/斎藤慎輔

自動車メーカーは否応無くEV化への対応を迫られていますが、動きが早いのは欧州、とくにドイツのプレミアム・ブランド。あっという間にコンパクトからラージサイズまでのフルライン化がなされそうな勢いで、続々と新型車が投入されています。EVは現実的問題として航続距離を問われることが多いものの、価格を抑えるために小さめのバッテリーを搭載するモデルも投入され、結局、あまり受け入れられていません。という中で、EQAはこのクラスではバッテリー容量がまずまず大きめであることが嬉しいところ。公表されている航続距離は422kmです。ということを前提として、EQAは、EVです! と強調することのない自然体っぽいところが好ましく、EVにありがちな、ことさらに瞬間的に反応する強加速性能を誇示する感覚は薄く、極めて静かで圧倒的にスムーズな走りによる上質感がもたらされています。操作系なども、他の最新メルセデス・ベンツと共通化されているので、乗り換えた瞬間から普通に操作できる。いわば新世代ながらも、ベンツらしさはしっかり守られています。



普及期の今だからこそリアルな商品力を持つEV/佐野弘宗

EQAは「2030年までに完全EV化」という野心的な戦略をかかげるメルセデスでもっとも手ごろなEVだ。ただ、内外装の基本デザインをGLAと共有しており、表面的にはあまり新鮮味はない。乗り心地は電池の重さを持てあましている感覚も少しあり、床下電池の影響で後席フロアも少し高くなっていて、着座姿勢にも影響している。このあたりはエンジン車との共有プラットフォームの限界ともいえそうだ。

それでも、パワートレインはもちろん静かでスムーズ。アクセルペダルを遠慮なく踏んでも、強力なモータートルクを前輪がうまく吸収するあたりは、トルク制御のうまさを感じる。640万円の本体価格も、66.5kWhという電池容量を考えると、少なくともレクサスやBMWの同クラスEVより割安。メルセデスというブランド力にほどよい使い勝手、そして価格……と、富裕層のセカンドカー、あるいはサードカーとしてはちょうどいい。

EV普及期の端緒でもある“いま・ここ”の時点では、EQAの商品力はリアルなところを突いている。



写真=柏田芳敬(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement