2022.05.04

CARS

外観からは想像できないほどハイ・パフォーマー ボルボXC60リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT8 AWDインスクリプションに5人のモータージャーナリストが試乗【2022年エンジン輸入車大試乗会】

ボルボXC60リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT8 AWDインスクリプション

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続いてのインプレッションは吉田由美、渡辺敏史、西川 淳の3人。中でも西川の独特とも言える視点は、意外に同じように感じている人が多いのではなかろうか。

エンジンもモーターも両方併用でも、とにかく滑らか!/吉田由美

最近のボルボはその安全性能の高さに加えて先進感が半端ない! やることも決断も早い! なにしろボルボはいち早くEVメーカーに転身すると宣言し、着々とその道を進んでいます。そして今回試乗したXC60は、ツイン・エンジンというネーミングから改名し、リチャージ・プラグイン・ハイブリッドになっています。ちょっぴりややこしいのですが、仕組みは同じ。パワーユニットは2リッター直4ターボ・エンジン+スーパーチャージャー+電気モーターで、加えて外部充電ができるリチウムイオン電池が搭載されたプラグイン・ハイブリッド。バッテリー容量は34Ahで満充電ならWLTCモードで40.9km走行可能です。モーターだけでも、エンジンだけでも、エンジンとモーターを併用しても走行できますが、とにかく静かで滑らか。

そしてさらなるトピックは、Googleの導入と電池容量の増強。ただ、試乗車はまだ日本語対応ではなく、しかもロングレンジのものではありませんが、ロングレンジは4月に、Googleの日本語対応は間もなく導入とのこと。クリスタルのシフトノブも素敵です!



全回転域で際立つパワートレインの上質感/渡辺敏史

これまで慣れ親しんだクルマと同じ行動半径や使い勝手は担保される一方で、負荷の高い都市部の移動では賢く電気を使いこなすことで環境に優しい移動手段にもなり得る。多様な選択肢をもったプラグイン・ハイブリッド=PHEVは、現状の社会環境に照らせば最も整合性の高い選択肢ではないだろうか。

気づけばPHEVの選択肢は数多あるわけだが、中でもXC60 T8はエコとエゴを高レベルで両立した1台だ。搭載する2リッター4気筒直噴ターボ・ユニットの最高出力は318ps。相当なハイチューン・ユニットで巨体を動かすのはしんどそうにみえるが、モーターのリッチなトルクが発進から低速域を積極的にサポートするおかげで、充電状況を問わず力強く滑らかにレスポンスしてくれる。

中高速域ではエンジンの存在感が徐々に際立ってくるが、その繋がり感も自然だ。全開ではモーターとの協調で強烈な動力性能をみせてくれるが、そこでも際立つのは質感の高さ。油と電気は技巧次第で仲良くできるし、二乗的効果も発揮できる。それを上手く表した1台だと思う。



走りまで大人しかったイメージは完全に覆された/西川 淳

目に見えないイガイガ野郎に2年も悩まされているからだろうか。いかつい顔のクルマが以前にも増して嫌いになってきた。特に国産ミニバンのあの下品さには個人的な嫌悪を通り越して視覚公害じゃないかとさえ思う。一方で輸入車の世界ではシンプルさやピュアさといった引き算の美学が浸透しつつある。先駆者は北欧のボルボ。ボルボを駆る方達を見ると、地に足のついた落ち着きある豊かな社会生活の実践者だなぁ、と想像してしまう。これまでさんざ厳つい高性能車を楽しんできた人間にとっては真逆の世界。勇気を振り絞って移り住んでみよう、と思ったりもするが、如何せんボルボは走りまでが大人しいイメージ……、という先入観をひっくり返してくれるハイ・パフォーマーがこのXC60 T8だ。エンジンとモーターの総合パフォーマンスは劇的で、しかも加速中の乗り心地が素晴らしい。思わずニタついてしまう。プラグイン・ハイブリッドというのも嬉しい。なんとなればEV走行もできるから。マイチェン後のモデルではいっそうEV色が強まる。人生観を変えたい人にオススメの1台。

200V充電器によって、1時間あたり7~14km走行可能な電力をチャージすることが可能。CHAdeMOの急速充電には非対応。

写真=神村 聖(メイン)/柏田芳敬(走り)/編集部(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

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