2022.04.21

CARS

峠道が待ち遠しくなるほどの楽しさ! 日本初上陸のボルボの電気自動車、C40に乗る

ボルボ C40 リチャージ・アルティメット・ツイン・モーター

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まるでスポーツカー

C40の車台は、ベースのXC40同様にCMAというボルボの小型車用プラットフォームを用いている。これは開発当初から電動化を見越していたが、C40のものは床下に敷くバッテリー保護のため、内燃エンジンのXC40比で大幅に強化されているという。たしかにうねりの強く大入力が加わる下りの高速コーナーに飛び込んでいっても、嫌なねじれる感覚がまったくない。リアには巨大なハッチの開口部があり、ルーフは基本すべてガラスだとは、にわかに思えないくらい強固だ。



モーターは前後に2つ。4輪の駆動配分は基本50:50だが、走行の状況によって瞬時に配分をコントロールする。感覚的にはリアからの押し出しがかなり強く、それを抑さえるべく、まるでスポーツカーのように前後で異なるサイズのタイヤを履いている。なにせシステム出力は408馬力。0-100km/h加速は4.7秒という俊足の持ち主だ。20インチと大径でやや高速道路の巡航時は路面の凹凸を拾いがちだが、峠道の楽しさを考えれば、このタイヤサイズ1つとっても開発者たちがC40にスポーティな走りというキャラクターを与えたのは明白だと思った。

なお試乗後、シングル・モーターの前輪駆動で、バッテリー容量を78kWhから69kWhへ減らし、600万円を切るエントリー・モデルも導入されたから、差別化を考えて、あえて味つけを変えているのかもしれない。

充電ポートは車体の左側に備わる。前がAC、後ろがDCで150kWhまで対応する。AC充電施設のアンペア数やDC充電時の最大充電量は車内の液晶画面から任意に設定が可能だ。

車体のリア・セクション以外は見慣れたXC40とさほど変わらないように見えるが、始動ボタンがなくなり、ドアを開けて着座した瞬間に起動してすぐ走れるようになっていたり、Googleアシスタントによる目的地到着時の予想電池残量表示(いろいろ試したが数km単位まで一致するほど正確)など、テスラを横目に従来のクルマの既成概念を少しずつだが変えていこうとしている。

XC90以降、プラットフォームを一新し、スタイリングを大改革し、安全だが保守的という過去のイメージを打ち破ったボルボ。ビックリするほど走って楽しいC40の上陸は、あの時以上の大きな衝撃となると、僕は思う。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

充電ポートは車体の左側に備わる。前がAC、後ろがDCで150kWhまで対応する。AC充電施設のアンペア数やDC充電時の最大充電量は車内の液晶画面から任意に設定が可能だ。

■ボルボ C40 リチャージ・アルティメット・ツイン・モーター
駆動方式 前後横置き2モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4440×1875×1595mm
ホイールベース 2700mm
トレッド(前/後) 1600/1610mm
車両重量(前軸重量:後軸重量) 2160kg(1110kg:1050kg)
最高出力 408ps/4350-13900rpm
最大トルク 660Nm/0-4350rpm
変速機 1段固定
電池形式(容量) リチウムイオン式(78kWh)
一充電走行可能距離 485km(WLTC)
サスペンション形式(前) マクファーソンストラット+コイル
サスペンション形式(後) マルチリンク+コイル
ブレーキ(前後) ベンチレーテッド・ディスク
タイヤサイズ(前) 235/45R20
タイヤサイズ(後) 255/40R20
車両本体価格 699万円

(ENGINE2022年5月号)

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