2022.09.20

CARS

バラバラのまま5年も放置されていた貴重なアルピーヌV6ターボのカップカー 自らの手で修理、復活させようと奮闘するオーナーの情熱が凄い!

アルピーヌV6ターボ・ヨーロッパ・カップとアルピーヌV6ターボ、どちらも1988年のクルマだ。

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きっかけは些細な一言

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ではなぜ突如復活させることになったのか? それはホンの些細な一言がきっかけだった。

「去年の春かな? 内輪話で“もう売ってもいいよ”って言ったら、トントン拍子に話が進んで買うって人が現れた。そうしたら急に惜しくなって(笑)。お断りした以上、直さざるを得ないと6月に自宅へ持ってきて、自分で直し始めたんです」

希少なロード・バージョンだが、280psにチューンされたV6ユニットなど基本は同じ。


野澤さんがまず取り掛かったのはエンジンだった。一度直したとはいえ、10年以上放置していたので、配管類からすべて見直した結果、半年ほどで動くようになったという。

「手伝ってくれた友人と“やったー掛かったー!!”って、その日はクルマを見ながら祝杯です(笑)。じゃあブレーキも……と直していく中で、友人が“赤いのはどうするの?”って聞くから、一緒に赤も直そうと。それ以降並行して作業を進めました。カップカーは本当にバラバラでマニュアルも何もないですからね。ここまで組めたのは、実物大の完成見本があったことも大きいです」

こうして約1年にわたる作業の結果、カップカーの機関系はほとんど仕上がり、内外装もフロントガラスを組み込めば、ほぼ完成という状態にまで辿り着いた。

今春、久々の路上復帰を果たしたばかりの88年型V6ターボ。


一方赤いV6も燃料ホースの全交換、シフト・リンケージの破損などいくつもの試練を乗り越え、今春に車検の取得に成功。4月にはV6ターボのオーナーズ・ミーティングのために浜松まで自走するなど完全復活を遂げたように思われたが、細かなトラブルに追われており、取材前日にも変えたばかりの燃料ポンプの不具合に気づき直したそうだ。

「お金をかけなくても工夫すれば遊べるものです。夜中にガレージで“俺はポップ吉村だ!”なんて想いながらバルブを磨いたりする時間が最高なんですよ」

と野澤さんは笑う。おそらく今年の秋には、赤いV6ターボで会場に乗り付け、カップカーでレースやヒルクライムを楽しむ野澤さんの姿を見かけることができるはずだ。

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文=藤原よしお 写真=望月浩彦



(ENGINE2022年7月号)

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