軽いことはいいことだらけ森口 マーケットからの要求も、後者の意見が強くなってきているんじゃないですか。上田 やっぱりこれまでと違うものでないとニュースになりにくいですよね。実際、改良前のSは990Sみたいには売れていなかったし。あと、ロードスターの魅力の1つは自分で手を入れられることだと思うんですが、KPCにどれくらいの余地があるのかがちょっと不安。現在は完全にオフにはできませんからね。高平 余裕がなさ過ぎるのもちょっとね。でも、そういったことはさておいても、やっぱりよくできていますよ。これも長いこと造っているだけのことはある。森口 幌を開けている時の室内への風の巻き込みも、ほとんどないよね。このあたりも長い歴史によるノウハウの積み重ねと、日本らしいきめ細かさが出ている。上田 ロードスターほど開け閉めが簡単なオープンカーなんてありませんよ。構造そのものはよくできているとは思うんですが、あっちこっち引っ張ったり緩めたりといちいちお作法があって、どうしても時間がかかるセブンと比べたら、まさに夢のようです。新井 4代目で排気量を下げるという英断をしたことが、結果的に軽さを存分に楽しめるクルマになっていますよね。アルピーヌA110から乗り換えてもそれがすぐ分かる。姿勢はフラットなのに、脚だけがひたひたと動く。今回あらためて軽いっていうことのすごさを実感しました。荒井 軽さが挙動の分かりやすさに繋がっている。ロードスターって自分の運転能力や技術を計る物差しみたいなクルマだと思う。いわばスポーツカーの教習車。もう還暦を過ぎたけど、これをちゃんと動かせているうちは大丈夫だって思う(笑)。上田 軽ければブレーキもタイヤも負担がかからない。お財布にも優しい。これも軽量級スポーツカーの大きなメリットです。新井 ただ、現行ロードスターはフィアット/アバルトの124スパイダーと共用することでビジネスとして成立したんですよね。迫り来る電動化に対し、次世代のロードスターがどうなるかが心配です。◆【続篇その2】座談会、白熱のトヨタ・コペンGRスポーツの記事はコチラ!話す人=高平高輝+森口将之+荒井寿彦(ENGINE編集部)+新井一樹(ENGINE編集部)+上田純一郎(ENGINE編集部/まとめ) 写真=望月浩彦
■マツダ・ロードスター990S駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動全長×全幅×全高 3915×1735×1235mmホイールベース 2310mmトレッド(前/後) 1495/1505mm車両重量(車検証) 990kg(前軸重量520kg:後軸重量470kg)エンジン形式 水冷直列4気筒DOHC排気量 1496cc最高出力 132ps/7000rpm最大トルク 152Nm/4500rpmトランスミッション 6段MTサスペンション(前) ダブルウィッシュボーン+コイル(後) マルチリンク+コイルブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク/ディスクタイヤ(前/後) 195/50R16/195/50R16車両本体価格(税込) 289万3000円(ENGINE2022年12月号)
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