2023.01.13

CARS

使い勝手に優れるミニバンは? ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナを利便性で比較してみた

1月にトヨタ・ノア/ヴォクシー、5月にホンダ・ステップワゴン、11月に日産セレナといったように、2022年は相次いで「5ナンバー・サイズ・ミニバン」のフルモデルチェンジが行われた。「ENGINE WEB」では全5回にわたって、この3台を比較してきたが、最終回は各車のユーティリティ面におけるアドバンテージはどこにあるのか、それぞれの特長を改めて確認してみようと思う。

ノア/ヴォクシーのみプラットフォームを刷新

メカニズム的には、トヨタのみがプラットフォームを刷新し、ステップワゴンとセレナは従来型をアップグレードしたものを使用。また、ボディ・サイズは日産のみが5ナンバー仕様を残したものの、それ以外は全車3ナンバーとなっている。



一発で決まる2列目ロングスライド

ノア/ヴォクシーの室内での大きな進化は2列目シート。7人乗りのセパレート・タイプに備わるロングスライドが従来型のように一旦車内側へ横スライドせずに直接最後端まで下げることができるようになった。

また、電動スライド・ドアに連動して機械的な機構のみで展開するサイドステップ(モーターを用いないためコストが安い)と、世界初という任意の角度で手動停止できるバック・ドア(手動開閉式仕様のみ)も、競合他車にはない装備だ。



「わくわくゲート」を廃止し、軽量化

ステップワゴンは、先代のセールス・ポイントだった「わくわくゲート」こと、一部横開き可能なバック・ドアを廃止することで車体の軽量化を実現。パワー・スライドドアは世界初という車外に静電タッチ式スイッチを採用した。

7座仕様の2列目は前後左右のスライド幅を拡大。各方向への操作がひとつのレバーで行えるようになった。また、先代で好評だった深く掘り下げた荷室床面に3列目シートを畳み込める「マジックシート」が継承されている。



ハンズオフ走行を実現

セレナはクラストップを謳う室内長がアピールポイント。継続採用された3列目シートのスライド機構も他車にはない利便性をもたらす装備だ。さらに、バック・ドア上部のみを独立開閉できる「デュアルバックドア」も継承されているが、開閉部の全長を短縮し、狭い場所での使い勝手を高めるなどの改良が施されている。

また、従来は7人乗りのみの設定だったeパワーを8人乗りにも拡大。新型では、最上位グレードのルキシオンのみが7人乗りで、その他のグレードは全車8人乗りとなっている。また、運転支援装備の「プロパイロット」を全車に標準装備するとともに、最上級グレードとして新設された「ルキシオン」にはハンズオフ走行が可能な走行支援システム「プロパイロット2.0」がミニバンとしては世界初導入されたのも見逃せないところだ。



利便性の向上はもちろんのことパワートレインやシャシーに多数の新機軸を投入したノア/ヴォクシーと、既存技術の更なる熟成と活用を図ったステップワゴンとセレナ。ディテールを観察すると各車ともそれぞれ異なる利点が見えてくる。日本3大ミニバンを選ぶのは新型になってもなかなか悩ましい作業になりそうだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル

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