2023.06.27

CARS

前がクルーザー、後ろがプライベートジェット 新型アルファードとヴェルファイアの内装を深掘り

新型で4代目となるトヨタの最高級ミニバン、「アルファード」と「ヴェルファイア」の構成要素をクローズアップして深掘り。前回のエクステリアに続き、今回はインテリアに注目する。

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包まれ感と開放感

インテリアは、前席がクルーザー、後席がプライベートジェットをイメージして製作されている。1列目はセンターコンソールとダッシュボードからドアトリムの連続したトリムで包まれ感を演出。2列目以降は天井部からトリム下部にかけての配色を統一し、とくに「アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ」のベージュ内装では開放感が増している。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

天井に新機構を導入

天井部の中央には、スーパーロング・オーバーヘッド・コンソールを配置。両サイドには最大照度60ルクスのLED式照明とイルミネーション、照明/シェード/ウインドウ/スライド・ドアの各スイッチ、送風口や収納ボックスを集約した。

この中央部への機能集中により天井サイドと左右席頭上の空間を拡大。これによりロング・アシストグリップや遮光と眺望を両立できる下降タイプの後席パワー・サイドサンシェードを設置する余地が生まれた。なお、サンシェードやシートスライドには動き終わりの直前にスローダウンする制御を施したが、これは障子を閉じる際のマナーを参考にしているという。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

前後の座席間隔を拡大

ボディ・サイズは先代と比べるとフロント・オーバーハングが45mm伸びたのみで、ホイールベースをはじめとする室内の広さに関わる部分については基本的に変わっていない。しかし、運転席ポジションの見直しや2列目シート構造、3列目やバック・ドアのトリム薄型化などにより、3列のシートを1列目25mm、2列目30mm、3列目35mmそれぞれ後退させ、前後席間距離を10mm拡大した。

運転席は、ステアリング・ホイールの角度を4.5度立て、より自然で乗用車的なポジションに変更。2列目シートは電動スライド機構をネジ式からギア駆動+電磁クラッチ式へ変更し、作動速度を高めるとともにウォークイン時の手動操作も可能にした。スアイド量は最大480mmで、着座時は低速、空席時は高速で前後移動させることで安心感と利便性を両立した。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

騒音と振動対策も万全

2列目シートはクッション・フレーム取り付け部にゴム・ブッシュを組み込み、背もたれとアームレストには低反発タイプ、座面には座圧分散性が高いタイプといったようにウレタン素材を使い分け、乗員が感じる振動を約1/3に低減。スライド・ドアは開口幅を40mm拡大して乗降性を高めたが、同時に侵入しやすくなる冷気を防ぐため、リア・ヒーターの吹き出し口を左右トリムに移動した。

静粛性に関しては、人が心地よく感じる周波数を残しつつ、不快感のある周波数の突出を低減。ロードノイズは、煙の流れで音の侵入経路を可視化し、シーリング対策を行うなどにより徹底的に排除。さらに、騒音と乗り心地に配慮した専用開発のタイヤを装着するなど発生源への対策も行っている。また風切り音対策としては、ドア・ミラーとガラスの隙間を拡大し乱流を抑制するとともに、フロント・ピラーを気流が沿いやすい形状としている。

高級ミニバンはいまやサルーンやリムジン的な使い方もされるようになった。トヨタは先代からアルファードとヴェルファイアを「大空間高級サルーン」と位置付けたが、そのサルーン的な快適性をさらに引き上げるべく開発されたのが、今回の新型だ。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

文=関 耕一郎 写真=茂呂幸正、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

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