2023.11.25

CARS

日本グランプリで優勝した生沢徹氏のカレラ・シックスが原点 5台の空冷911を乗り継いできたオーナーの現在の愛車は964型ターボ3.6

1994年型ポルシェ911ターボ3.6とオーナーの吉本さん。

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すべてのきっかけは1967年の日本グランプリ。カレラ・シックスの快走に心を奪われた医師・吉本一哉さんは5台の空冷911を乗り継いでいる。

ファースト・ポルシェは1980年型の911SC

朝6時半。ガレージに到着すると、吉本一哉さんが門を開けて迎えてくれた。朝日に照らされた漆黒の964は、今では決して大きなボディではないけれど、圧倒的な存在感を放っている。これは大型のリア・ウイングや、大きく張り出したホイール・アーチを備えているからだろう。そこにはリムの深い3ピース・ホイールが収まり、赤色のブレーキ・キャリパーが顔を覗かせている。これが「ターボ3.6」である証なのだ。

カレラRSと同意匠の前後バンパー。

これまで5台の空冷911を所有してきたという生粋のポルシェ好き、吉本さんの原点は少年時代にあった。

「ポルシェに興味を持ったのは、67年の日本グランプリで優勝を飾った生沢徹氏のカレラ・シックス(ポルシェ906)を知ったのがきっかけです。子供ながらに、強烈に印象に残ったのを覚えています。それから調べていくうちに、どんどんポルシェの世界に取り憑かれてきました」

ル・マンなど世界のレースを見渡してみても、やはりポルシェは強かったのだという。

「レースでライバルだった日産R380IIやフェラーリ330P4などと比べてみると、耐久性をはじめ、クルマの完成度に圧倒的な違いがあったと思います。それを見せつけられて、ポルシェはすごいんだなぁ、と憧れていました」



吉本さんにとって初めてのポルシェは、医師として働き始めてまもなく買った、80年型911SCだった。

「それまではBMW318iに乗っていました。911も4人乗れるから、と自分を騙して買ったけれど、子供が大きくなるとさすがにちょっと使いづらかったかな(笑)」

SCには4年余り乗ったものの、その後はBMWに戻り、欧州車を乗り継いでいたという。再び911を手に入れたのはちょうど20年前。偶然見つけた930ターボSを衝動買いしたのだ。それから3年、人生で3台目の911となる、この964ターボ3.6に出会った。



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