2023.11.22

CARS

「古いものは乗りこなす難しさがあるから面白い」 ちょっと古いポルシェ、Gモデルのカレラ3.2に乗るのは元自転車レースのチャンピオン! 今は911で毎朝のように箱根を走っている!

元ロードレース全日本チャンピオンのオーナーとGモデル(930)の911カレラ3.2

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代々続く老舗鰻店の主人で、自転車競技でも活躍していたというオーナーが、日々ワインディングに連れ出して楽しんでいるのは走りに徹した通好みのモディファイが施された、911カレラ3.2だった。ちょっと古いポルシェが大好きなモータージャーナリストの藤原よしおがリポートする。

18代目はチャンピオン

神奈川県大磯町は、古くから栄えてきた風光明媚な東海道の宿場町の一つ。また吉田茂をはじめとした多くの政財界人、文化人が愛した土地としても知られている。

その一角にある1803年創業の老舗で、ミシュラン1つ星も獲得した鰻店『國よし』の18代目店主を務めるのが、1986年型911カレラのオーナーである宮代邦彦さんだ。“串打ち3年、裂き8年、焼き一生”という格言が知られる鰻職人の世界。さぞかし厳しい修行を積まれてきたのかと思いきや、返ってきた答えは意外すぎるものだった。



「僕は元々自転車のプロで、ツール・ド・フランスに出たくて14歳から自転車を始めて、海外にずっといたんです。元々クルマも好きだったのですが、ほどほどって感じでした」

そう、実は宮代さんは85年からアメリカに留学しロードレースに参戦。86年にオランダにわたり欧州を舞台に活動したのちに帰国し、87年にはニチナオ・シディ・カンパニョーロ・チームの一員として全日本選手権に出場しチャンピオンを獲得。その後もマウンテンバイクの世界選手権に出場した経歴の持ち主なのだ。

「アメリカに行く前は先輩から買った初代ゴルフGTIに乗っていましたが、資金が必要になって売却。ただアメリカはクルマ社会なので2000ドルで73年型ビートルのスポルトマチックを買いました。それが初めての空冷RRでしたね(笑)。でもある日ユタ州の真ん中でエンコしちゃって。その後すぐにヨーロッパに渡って、以降はレンタカー生活でした」



ところが91年の世界選手権の後、練習中に大怪我をしたのを機に宮代さんは選手を引退。以来、國よしの18代目として厨房に立ち続けてきた。

「小さい頃から祖父や父の仕事を見ていたので、すぐに捌くことができたんです。一通り形になるのも半年くらいでできました。まぁ、今思えばできたと言ってもママチャリと、ロードレーサーくらい差はありましたが(笑)。きっと僕の中には代々のDNAが入っているんでしょうね」

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