2025.06.29

CARS

空冷ポルシェが蘇る秘密の場所 京都の秘密基地のようなガレージでポルシェをレストアするエンスージアストがいた!

ドンガラの356Bは1962年型の75psエンジン搭載車。ここで蘇るのを待っている。

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2台の911

現在愛用している“京都33”ナンバーの1976年型ポルシェ911を買ったのは37年ぐらい前のことだ。竹市さんの年はまだ24~25歳か。外装色はアロー・ブルーである。

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若い頃から911を所有し、なおかつクルマのプロであった竹市さん。自身で整備ができることもあり、続けて実家にあったタイプIと同じく地域名が一文字の“京”ナンバーのダルメシアン・ブルーの1973年型ポルシェ911T 2.4も購入。12年前、49歳の時だ。

1976年型はミツワの正規ディーラー車で“T”に相当する素のグレードだが、末尾にはアルファベットは付かない。こちらはエンジンとトランスミッションに手を入れている。

手前の1973年型911Tは中古並行モノで、雨ざらしで朽ちかけてはいたが、幸いなことに欠品部品などはなかったと言う。ボディの修復はプロに頼んだが、そのほかの部分は竹市さんがコツコツと仕上げたそうだ。

地域名が一文字だが登録番号は二桁の“33”。新車当時からずっとこの地で受け継がれてきた証である。

「弟が阪急電車に乗っていて見つけたんですが、1990年からずっと雨ざらしになっていたんですよ。オーナーと交渉して譲ってもらったんですが……」

フロア以外にリアの隔壁まで朽ちていたので、自分でエンジンとトランスミッションを降ろし、配線や内装も全部外して鈑金屋さんに預けたのだという。

当時はサラリーマンだったので、組み上げは大型連休になるたびに通い、そこで自分の手で行ったそうだ。

「911Tを預けていた期間は3年ほど。休日も普通に営業している鈑金屋さんでよかったです」

実は筆者は2023年1月にも竹市さんを訪ね、自宅にお邪魔しているのだが、このときビルトイン・ガレージに入っていたのは、2台のポルシェ911と父親から受け継いだタイプIであった。

若い頃に所有していたマツダ・キャロル360の寸法に合わせて造られたという自宅のビルトイン・ガレージは、現代の視点ではかなり小さな911Tですらまっすぐ入れるとシャッターが閉まらず、斜めに駐車していた。



ちなみに、ビルトイン・ガレージのある自宅を設けた22~23歳の時の愛車は、一時期3台を同時所有していた青空駐車のキャロル360、露天の駐車場でカバーを被せて保管していた別の“京”ナンバーのタイプI、ワーゲンバスの愛称で知られるタイプIIという3台だったそうだ。

しかしこのタイプIIは1976年型911のエンジンとトランスミッション修理の軍資金を捻出するために売却され、ドイツに帰国。残念ながら自宅のビルトイン・ガレージに納まることはなかったそうだ。

その後も愛車が増えていった竹市さんは、自宅のみならず、実家の庭先も車両保管場所として確保。こちらは公道から少し奥まったところにあるのだが、2年前はグレーのシングルナンバーとは別に、もう1台の1971年型タイプIビートル、1974年型と1976年型の2台のポルシェ914(前者は部品取り用)、6代目ダットサン・トラック(521型)も並んでいた。

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