2025.06.29

CARS

空冷ポルシェが蘇る秘密の場所 京都の秘密基地のようなガレージでポルシェをレストアするエンスージアストがいた!

ドンガラの356Bは1962年型の75psエンジン搭載車。ここで蘇るのを待っている。

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プライベート・ファクトリー

幼い頃から親しみ、いつまでも変わらぬ空冷水平対向エンジン車への熱き想いを原動力に、竹市さんは一念発起する。2025年春、2年ぶりに訪れたかつて車両保管場所だった実家の庭先には、まさにプライベート・ファクトリーと呼べる、ワイド・スパンの見事なガレージが建てられていた!

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2年の間に、愛車のラインナップも大幅に変わっていた。

「タイプIとダットラと914は実家の庭先でそれぞれレストアしたんですが、雨をしのげる屋根があれば、車体を大きく持ち上げられるリフトがあれば……と常々思っていまして。再び購入した1959年型のタイプIIも庭で直しましたね。ガレージはこの大きさなので、さすがにコンクリートの打設と屋根を設ける作業はプロにオーダーしました」

作業が終わったタイプIとII、914、ダットラは手放したという。

部品取り用の奥の914から仕上げ中の手前の914へエンジンを移植。もともと床やフロント・パネルもなく、鈑金業者がレストアを断念した個体で、竹市さんが右リアフェンダーを溶接するなどし、ここで塗装。5月の完成を目指している。

「自分でレストアをして、完成したクルマから欲しい人に譲っているんです。いま手がけている黄色の914も、次期オーナーが現れたら嫁いでいきます」

とはいえ、もちろん2台の青い911たちと、グレーのビートルは手放すつもりはないようだ。自宅にも整備環境は一通り揃っているのだが、やはり何かと作業しやすい実家のガレージができたおかげか、いずれも完調を維持している。

「ここでクルマ仲間とバーベキューをやったりもしますし、京都でイベントがあるときなど、一度みんなでここに集まってから会場に向けて出発します。名古屋、静岡、遠くは九州からも友人が来ますよ。いまや高価な356も、この狭いアプローチを登ってきてくれます」

小学生の頃からの竹市さんと空冷水平対向エンジン車との縁は、これからもずっと続いていくのだろう。

文=高桑秀典 写真=阿部昌也

(ENGINE2025年6月号)
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