2025.12.06

CARS

こんなスポーツカーに乗れるなんて、一生に一度の一大事! 365GTB/4デイトナはじめ貴重なクラシック・フェラーリをサーキットで走らせた

イタリア語で「コルソ・ピロタ・クラシケ」、すなわち、英語にすると「クラシック・ドライビング・コース」。フェラーリがオーナー向けに開催しているクラシック・カーの走行体験イベントにエンジン編集部のムラカミが参加してきた。

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オリジナルとオーセンティク

さて、このイベントは2日間のプログラムになっており、初日は本社内にある「クラシケ」(クラシック部門)の施設を訪ねるところから始まった。それは本社の入り口にほど近い、1947年の創業当時からある古い建物の一角にある。中に一歩足を踏み入れると、応接スペースの向こうのガラス張りになった工場に所狭しと並んだクルマを見て、エッ、と目を瞠らされることになった。

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あそこに見えるは250GTO、そしてこっちは250LM、あの奥にはデイトナ・スパイダーの姿も……といった具合に、ミュージアムに並んでいるような名車の数々が、ごくフツーに置かれており、あるクルマはリフトで持ち上げられ、あるクルマはボンネットの中身がすべて取り出されて、レストアされるのを待っているのである。

マラネロの本社にある「クラシケ」には、世界中からクラシック・フェラーリがレストアのために集まってくる。250LM、デイトナ・スパイダーなど、珠玉の名車たちにまじって、コルソ・ピロタ・クラシケで使われる308も、常に最高のコンディションで走れるようにここで整備されている。

「すべてのフェラーリは20年後にはクラシックに仲間入りし、そこから先も永遠に生き続ける可能性を秘めている」。これがクラシケの根本的な理念ということになるらしい。

そして、プレゼンを聞いていて、なるほど、と思ったのは、「オリジナル」と「オーセンティク」の違いについての話である。クラシック・カーの世界でオリジナルと言えば、すべてのパーツが購入した時代のそのままの状態であることを言う。それに対してオーセンティクは「本物の」とか「信頼できる」という意味で、たとえパーツが当時そのままではなく、類似のものに置き換わっていたとしても、それがフェラーリによって認証された「信頼できる」ものであれば、クラシック・フェラーリとして「本物」と認められるというのである。たとえば、エンジンの部品が失われていても、クラシケにある図面を元に復元できるし、それはシートや内装の布地の材質についても同じだと言っていた。タイヤについても、コンパウンドまでオリジナルである必要はないというのだ。

写真のリフトで持ち上げられているのは、1955年に4台だけつくられた121LMの1台で、オーナーは2週間前にツール・ド・シチリアを走ったが,すぐにル・マン・クラシックに参加するために整備中だという。

逆に言うと、そうでなければ、クラシック・カーはガレージの中の置物になりかねない。そうではなく、いつまでも元気に走らせること。それこそが、もっとも重要だとフェラーリは言うのだ。だからこそ、彼らは様々なクラシック・カー・イベントを世界中で開催するのであり、コルソ・ピロタ・クラシケは、クラシック・カーの扱い方をトレーニングする講座でもあるというわけだ。

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