「あれ?このデザイン、どこかで…見たことがあるような…」と思うクルマが増えている気がする。近年発表されている新車の中には、どことなくデザインが似ているクルマがいくつもある。今回は、デザインが似ている外車っぽい日本車または日本車っぽい外車などを紹介しよう。
発表されたときから話題になったクラウン スポーツとフェラーリ プロサングエ
現行モデルで外車っぽい日本車または日本車っぽい外車の筆頭ともいえるモデルがクラウン スポーツとフェラーリ プロサングエだろう。

これらを並べてみると、確かによく似ている。クラウン スポーツ目線からすると「外車っぽい日本車」と言えるが、プロサングエの立場からすれば「日本車っぽい外車」になってしまう。

デザインこそ似ているものの、その性能は別物。クラウン スポーツはスポーティな走りを楽しめる高級車という位置づけだ。一方、プロサングエは4ドア4シーターのスポーツカー。つまり、それぞれのモデルが目指す方向性が異なる。
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さまざまな意見が飛び交うアルファードとBYD デンツァ B9
日本が誇る高級ミニバン「アルファード」。このアルファードにそっくりな外車(日本車っぽい外車)として話題になったのが、BYD デンツァ B9だ。

アルファードは、兄弟車であるヴェルファイアとともに高い人気を誇るラグジュアリーミニバン。また、基本構造を共有しているレクサス LMも都心部を中心に多く見かけるモデルとなっている。

このトヨタを代表するラグジュアリーモデルによく似たクルマがBYDのハイエンドブランド「デンツァ B9」だ。実は、デンツァというブランドは、BYDとメルセデスの合弁会社として誕生した。

この2モデルを並べてみると、デンツァ B9が日本の高級ミニバン「アルファード」を意識していのは明らかだろう。また、高級ミニバン市場に参入する強い意志があることもデザインから読み取ることができる。
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確かに似てるかも?プリウスとプレリュード
2020年代になってから、左右のヘッドランプやリアコンビランプを繋ぐデザインのクルマをよく見かける。

流線型の美しいスタイリングで登場した4代目プリウスと9月に発売されたプレリュードも近年のデザイントレンドを取り入れたモデルだ。

プリウスとプレリュードは、シャープでありながらワイド感と低重心なスタイルを強調するヘッドランプおよびクリアランスランプと、左右のランプを繋ぐグリルデザインを採用している。また、ブラック・アウトしたガーニッシュの中に光る横一文字のテールランプも両車の似ている部分だ。
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トレンドを取り入れると似てしまうクルマのデザイン
外車っぽい日本車または日本車っぽい外車を中心にデザインが似ているクルマを紹介してきたが、トレンドを取り入れるとクルマのデザインは似てしまうのだろう。
また、空力性能を追求するとシルエットが似たクルマになることもある。つまり、空力性能を追求した上で、デザイントレンドを取り入れると、デザインとシルエットの両方が似てしまうということだ。

ただ、逆の考え方をすれば、モデルやタイプごとに理想とする空力性能のシミュレーションができていると捉えることもできる。同じシルエットになってしまうクルマをどのような差別化して個性を出すか…そこに各メーカーのデザイン力が現れるといえるだろう。似たようなスタイリングでも一目でメーカーやモデルが分かるデザインが今のクルマに求められているのかもしれない。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)