2025.10.09

CARS

全長3mながら最大限のスペースを! 近未来のお手頃な小型実用デンキ自動車「ダチア・ヒップスター」

これが欧州版軽自動車“Eカー”の雛形か?

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ルノー・グループの一員で、ルーマニアの自動車メーカーであるダチアが公開した「ヒップスター・コンセプト」は、コンパクトで手頃な電気自動車の提案だ。規制強化や電動化が進むにつれて、より大きく、重く、複雑化し、価格も上がり続けるクルマへのアンチテーゼでもある。

見た目は少々奇抜で軽自動車より少し大きいが中身は大真面目


全長は3mジャスト、全幅と全高は1550×1530mmしかないが、フル4シーターで、荷室容量は70〜500リットル。ブロックのような角張ったスタイリングや、切り詰めた前後オーバーハングは、限られた寸法を最大限活用するためのものだ。



内装に目を向けると、スライド式サイド・ウインドウや、フレームにメッシュ生地を張ったシートを採用。



そうした積み重ねにより、ダチアのコンパクト電気自動車である「スプリング」より20%軽い車両重量を達成している。



軽量化は素材の使用量や、製造に掛かるエネルギーの節約も意味し、もちろん、動かす重量が少なくなれば、移動時のエネルギー消費も抑えることができる。結果、ライフサイクル全体でのカーボン・フットプリントは、現在市販されている電気自動車で最良のものに比べても、半減するという。



使用状況は市街地のみならず、郊外も想定されているが、フランスを例にとれば運転人口の94%が、1日あたり40km以下しか移動しないのだとか。その範疇で日常使いをした場合、充電は週に2回で済むとのことだ。

ルックスこそ奇抜なヒップスターだが、そのコンセプトがEU版の軽自動車ともいうべき“Eカー”構想を見据えたものであることは間違いない。



欧州では2010年から2024年の間に、新車の平均価格が77%上昇し、一般家庭の購買力を上回りつつある。低価格路線で成功を収めているダチアだけに、この新たな小型車カテゴリーでも重要なプレイヤーとなることが期待される。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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