2021.08.12

CARS

古いジャガーを買いたい人にアドバイス! 「記録簿なしは論外 10万kmでもいいんです! 記録簿があれば、それは整備しているということだから」 古いジャガーに乗りたいなら、ジャガーのことを良く知っている人に話を聞くのが一番だ!

461台しか生産されなかったジャガーXJR-S。

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ジョン・イーガンの功績

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続いて、1993年式のデイムラー・ダブルシックス(以下DD6)を見る。グリーンのボディが美しい。こちらも新車のような輝きだ。

「DD6は本当にピンキリです。基本的に手がかからないクルマではありません。XJ-Sと同じ12気筒なんですけど、XJ-Sは12気筒モデルを前提として開発されたのに対し、DD6のベースとなるジャガーXJは6気筒が前提の基本設計です。熱逃げがXJ-Sより悪いので、ホースとかリレーといったパーツに熱害が出ることがあります」

ジャガーは各車の内外装を高級化したモデルに、1960年に吸収合併したデイムラーのブランド名を使った。写真の1台はジャガーXJ6シリーズIIIをベースにしたもので、5.3リッターV12を搭載する。ウッド・パネルやレザーが贅沢に使われている。

熱害と聞くとオーバーヒートを想像するが、後藤さんによれば1983年以降のジャガーにオーバーヒートはないという。

「70年代に国営化され、レイランド・グループになったジャガー暗黒の時代に、クオリティが下がり、ジャガーは壊れるというイメージが出来てしまったんですね。1979年にジョン・イーガンがトップについてからは、品質が大幅に向上します。また、1983年に日本仕様が確立されたことも大きいですね。ラジエターが詰まったり、電動ファンが動かなくなったりしない限り、オーバーヒートはしません」



扱いやすいX300型

3台目は1997年式のXJ4.0。ドイツのチューニング・メーカー、アーデン社のスポーツ・サスペンションやホイールなどを備えている。オフホワイトのレザー・インテリアが綺麗だ。

「XJ40の進化型と言えるX300型のXJになります。2000年以前のジャガーのなかで最も壊れないモデルだと思います。X300型の次に出たX308型のV8モデルより壊れない。それでいて、ジャガーらしい流麗なスタイリングを持っています。扱いやすく、安心のビッグ・サルーンだと思います」

X300型のジャガーXJは1994年にデビュー。先代にあたるXJ40の角形ヘッドライトが不評だったため、丸目4灯へ先祖返りした。取材車は4リッター直(6245ps、391Nm)を搭載、コノリー・レザーなど装備を充実した日本専用モデルとなる。

内外装のパーツがない

ちょっと古いジャガーの動向を聞いた。

「XJ-Sはちょっと人気が上がってます。DD6は横ばいかな。ダブルシックスはバブル期にバンバン入ってきて、タマが多い。XJ-SはDD6より数が少ないのと、この年代のものを探す人はセカンド・カー探しなので、サルーンよりクーペやオープンを欲しがります」

最後にちょっと古いジャガーを買ってみようかな? という人にアドバイスをもらった。

「素性がしっかりしたものを探してください。記録簿なしは論外です。10万kmでもいいんです、記録簿があれば。それは整備しているということですから。汚いジャガーに乗りたい人はいないと思いますが、内外装の綺麗なものがいいと思います。XJ-Sだったらヘッドライトがないとか、ドア・ミラーがないとか、内外装パーツを直すのが大変です。綺麗な個体を買って、おカネは機関に回した方がいいです。壊れる、壊れないってハナシがありましたけど、30年も前のクルマですからね。ラジエター・ホースだって、フューエル・ポンプだって経年劣化している。そういうことをちゃんとメンテしないで乗ったら、どんなクルマも壊れます。ジャガーも、やることさえやっていれば、そんなに壊れるクルマではありません」

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

※取材車両の価格、在庫状況は2021年エンジン8月号掲載時のものです。

(ENGINE2021年8月号)

◆25歳のときからのジャガー乗りという俳優の仲村トオルさんが愛車を語った記事はコチラ!

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