2022.06.11

CARS

地獄を避ける人には天国も訪れない!? シトロエンGSに乗るジャーナリスト、森口将之さんのフランス車の愛し方とは

モータージャーナリスト、森口将之さんの愛車、1971年型シトロエンGS。

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確かに苦労はあったけど……

今回のテーマとして与えられた天国と地獄については、若い頃はたしかに苦労した。

特にシトロエンCXは、不動車をキャリアカーで引き取ってそのままディーラーの整備工場に入れるという、望んで地獄を見に行ったような個体だったためもあり、その後も雨の夜にバッテリーが上がって立ち往生するなど、エピソードには事欠かなかった。自宅にいる時間より、工場にいた時間のほうが長かった記憶がある。

それでもメンテナンスの投資金額では、2CVの前に所有していたアルファの2000GTVのほうがはるかに上だったし、ドイツ車だってトラブルを起こすことは何度も耳にしている。加えてどうやって乗れば壊れないかというコツを自分なりに習得していったためもあり、最近は困ったことはほとんどない。

とりわけ21世紀に生まれた車種については、今も持っているアヴァンタイム、GSの前に持っていたC4カクタスなど、少しだけ使い方に気をつけていれば、トラブルに遭うことはなかった。

インテリアも時代を感じさせない。ボビンメーターはGSが初採用だった。シングル・スポークのステアリングは衝突時にドライバーの上体が内側に倒れるように設計。

GS購入はコロナがきっかけ

東京に住んでいるうえに、モビリティ・ジャーナリストという肩書きどおり、あらゆる移動手段を使い分けて生活しているので、クルマはクルマの良さが味わえる場所で乗るという習慣がついているためもあるが、若い時の苦労は買ってでもせよというのは、本当なんだと最近思いつつある。

GSを買ったのは、新型コロナウイルスがきっかけだった。外出が激減したので、体力維持のために2駅分ぐらい歩くようになった。それ以前から公共交通で動くことが多かったが、コロナ禍でクルマへの依存度がさらに減った。なので旧くてもいいという結論になったのだ。

ものすごく漠然と、MTに乗りたい、ハイドロに乗りたいと考えて、取材で何度もお世話になっており、同じ東京に店舗を構えるアウトレーヴに問い合わせた。そこで勧められたのが、ショップの人が長年乗り続けていたGSだった。

そのGSは今では希少な初期型で、空冷フラット4の排気量は1015cc。イベントにも参加していて調子が良さそうであることは知っていた。色も淡いブルーで自分好み。シトロエンは人の縁、というフレーズを思い出した。

当時は別のオーナーの元にあったが、その人も自分が仕事で付き合いのある方ということもあり、譲ってくれることになって、2020年12月に納車となった。

空冷フラット4は55.5ps/6500rpmという高回転型。
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