2022.10.06

CARS

歴代のレジェンドが集結! ポルシェ・ミュージアムが祝う956の40周年 

ライプツィヒに集まったレジェンドたち。左からD.ベル、J.マス、T.ベルンハルト、H-J.シュトゥック、B.シュナイダー。

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ポルシェ956の誕生40周年を祝うワークショップがドイツで行われた。歴代のレジェンドが駆けつけた会場ではポルシェの強さを証明する数々の秘話が披露された。

エポックメイキングなモデル

ポルシェ956/962といえば、グループCの興隆を支えた1980年代を代表するプロトタイプ・スポーツカーというだけでなく、アルミ・モノコック・シャシー、グラウンドエフェクト、全水冷式フラット6エンジン、電子制御エンジン・マネジメント、PDKなどポルシェ史上初となる様々な新機軸を投入したエポックメイキングなモデルとしても知られている。

その956の生誕40周年を記念して、さる8月にポルシェ・ミュージアムが主催するワークショップ『40Years of Group C』がドイツのポルシェ・エクスペリエンスセンター・ライプツィヒを舞台に行われた。



今回のワークショップで特筆すべきは、レジェンド・ドライバーと956の生みの親であるノルベルト・ジンガー、エンジン担当エンジニア、ヘルムート・シュミットを交えたトーク・セッションだった。そこでは、燃費競争に打ち勝つために早い段階からペースカーが導入された時にスイッチを押すと省燃費モードになるペースカー・セッティングが用意されていたこと。そうした努力により、83年から85年の間で7%の出力向上と23%の燃費向上を果たしたこと。しなやかで乗り心地の良いアルミモノコックが10回も走行すると緩んでしまうこと。ル・マン用ロングテールと、通常のショートテールでハンドリングが異なることなど、これまであまり語られてこなかった956/962の秘話が、エンジニア、ドライバー両サイドから明かされた。



ポルシェの強さの理由

中でも興味深かったのが、F1よりも早くステアリング・シフトが実現していたというPDKの話だ。今回会場に来ていた962-009がまさにPDK仕様だったのだが、確かにステアリングの左右には、アップボタン、ダウンボタンが付いていた。もしかすると一般的なパドルシフトと違っていた993から997にかけてのステアリング・シフトは、962のロジックを引き継いだものなのかもしれない。

これ以外にも様々な発見があった今回のワークショップだが、40年が経ってからも実車を完璧な状態に揃え、こうした秘話を惜しげもなく詳らかにする懐の深さこそポルシェの凄さであり、強さである、ということなのだろう。



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文=藤原よしお 写真=ポルシェジャパン

(ENGINE 2022年11月号)

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