2023.06.14

CARS

まるでナローの911に乗ってるみたいだ! トヨタ・カローラ・レビン(1974年型) ニッポンのちょっと古いクルマはどんな味?【その4】

トヨタ・カローラ・レビン(1974年型)

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近年、世界的に人気を博しているのはジャパニーズ・ヒストリックたち。おかげで高嶺の花となり、気軽に買ったり乗ったりできないのもまた事実。そんな不満を解消する旧車レンタカーがあると聞き、モータージャーナリストの藤原よしおさんとエンジン編集部のムラカミとムラヤマの3人で試乗してきた。その1のトヨタ・ソアラ2.8GTリミテッド(1982年型)、その2のトヨタMR2 Gリミテッド・スーパーチャージャー(1988年型)、その3のトヨタ・セリカGT-FOUR(1994年型)に続く最終回のその4は、通称TE27レビン、1974年型のトヨタ・カローラ・レビンを取り上げる。

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これには刺さった!


村上 そして出ました! TE27カローラ・レビン。

村山 これは74年型ですね。新車価格は81万3000円。調べると、当時の大卒初任給は7万8700円。

藤原 貨幣価値は今の3倍かな。

村山 GR86が279万9000円~だから、まさにその価格帯ですね。

基本部分はノーマルながら、2T-Gエンジンはソレックス・ツインにファンネルをつけ、社外のタコ足やマフラーでファインチューン。さらにサスペンションを固め、ワイドリムのワタナベ8スポーク・ホイールに185/60R14のブリヂストン・ポテンザRE-71RSを組み合わせるなど、ボーイズ・レーサー風モディファイを実施。


村上 しかしこれはもう味の濃さの塊のようなクルマでした。

藤原 ヤマハが手がけた名機2T-Gを小さなカローラのボディに積んだ元祖ボーイズ・レーサー。

村山 最高出力は115psだけど、車重は855kgですからね。

村上 TE27に乗ったのは初めてなんだけど、感覚としてはナローの911に乗ってるようだった。

藤原 古いのによく乗る立場から言わせてもらうと、非常に乗りやすい部類のヒストリックカーだと思いました。クラッチ・ミートもしやすいし、ブレーキ・サーボもついてるし、変な癖はない。今日はすごく暑い日だったけど、水温計も正常だし、ホット・リスタートも問題なし。アイドリングも終始安定してたし、まったく不安要素を感じさせないのには驚いた。冷却対策とかをしっかりして、キャブもセットとか、よくメンテナンスされた個体だと思います。何よりクーラーがついてた!

村山 ちょっとパワーが食われますが、ちゃんと効いてました。



村上 こういうのに乗っちゃうと、今のクルマって色々重いものを背負ってきたんだなと思うな。これはパワートレインもシンプル。ボディだって安全とか制約がないから自由にデザインしている感じがあるよね。

村山 デザインは今回1番か、2番というくらいかっこいい。特に斜め後ろから見た姿が良いです。コンパクトだし。あと座った時、着座位置が結構低いのもびっくりしました。

村上 乗った感じも、パワーはあまりないかもしれないけど、軽い服を羽織ってるような軽快さがあった。



村山 実は今回までTE27って存在を知らなかったんです。乗るとステアリングは重いし、1速で下手にアクセルを踏むとギクシャクするし、乗り手が試されてる感がある。でも、誰でも乗れるものじゃないというのが気に入りました。自分で持っていたら、うまく乗れるように頑張るだろうなって。

村上 昔のクルマってそうだったのよ。それを乗りこなすのがカッコよかったんだから。

藤原 これから60年代のクルマに乗ってみたいという人には、いい入り口かもしれないですね。この時代のクルマにありがちな不安点は解消されていて、すごくよく仕立てられてますから。

村上 十分速いしね。ちょっと危うさを感じる分、体感的にも速いよ。

藤原 4000回転あたりからカムに乗り始めて、パワーがぐわっと出てくる。しかもトルクもあるし扱いやすい。2T-G最高!

セリカ用の1.6リッターOHV“2T”ユニットをヤマハがDOHC化し115psを発生する2T-Gユニットを2代目カローラ・クーペのノーズに搭載し、1972年に登場したTE27。大容量のアルミラジエーターを装着するなどヒート対策も万全だ。


村上 あとオーバーフェンダーの付け方とか、ミラーステーの軽め穴とか、今見てもかっこいいよ。エンブレムが欠品って言ってたけど、ない方が逆にいいよ、迫力あって。

藤原 オーバーフェンダー、砲弾型ミラー、6連メーター、5段MT……当時のレーサー風情ですよね。

村上 大人っぽいのよ。それでいて若々しい。今回撮影していて、一番声をかけられたのがTE27だよ。それだけ目を引くんですよ。



村山 この時代のクルマにこれだけ普通に乗れるなんて驚きでした。

村上 これは刺さりました。すごくよかった。

藤原 あーよかった。ほら、最初みんな怖がって乗りたがらなかったでしょ(笑)。

村山 初めて乗ったヒストリックカーですが、難しいものじゃないんだって、よく分かりました。

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