2025.07.12

CARS

ポルシェ911のビッグバンパーに乗り続けて32年 乗れば乗るほどクルマへの愛が深まっていく!

1988年式。エンジンは3.2リッター。32年ぐらいでは愛車のすべてはわからない。

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92年式カレラRS

1992年、たまたま東京モーターショーのプレスデイに入ることができた野口さんは、衝撃的なクルマを見つける。

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「92年のポルシェ911カレラRSです。964型カレラ2のボディを補強した上で、後席、エアコン、オーディオなどが取り外され、フライホイールなども軽量化されたモデルです」

ポルシェには触ったことがなかった野口さんだが、クルマが放つオーラに誘われるように運転席に座った。

「自動車レースが大好きだった僕は驚きました。目の前に広がるインパネが耐久レースを戦うモデルとほとんど同じじゃないですか。バケットシートも僕の気分を上げてくれて、ポルシェ最高! と思ったんです」



雑誌巻末の個人売買欄で1988年式の911カレラを見つけ、手に入れたのだという。購入時の走行距離は約2万2000km。野口さんのもとに来てからは約9万kmを走行している。

「ポルシェ911が欲しいと思ってからは雑誌などを読みあさりました。すると、中古の911はクラッチが弱いとか、維持費が大変だから購入金額のほかに100万円用意しよう! などと書いてある。ですから、買う時はある程度の覚悟はしてました。そうしたら、全然違うじゃないですか」

野口さんが初めてポルシェ911に乗ったときの感想は、このクルマは丈夫というものだった。

「そもそもドイツ人がそんなに簡単に壊れるものを作るはずがないと思いました。すごく実用的なクルマだと感じました。やはり、クルマは持って初めてわかるものなんだなと」

ちなみに、この32年間でメカニカル的に何かが壊れたということは一度もないそうだ。



「経年劣化はもちろんあります。それは故障とは言わないと思うんです。人間の老化と病気が違うように。部品は経年劣化しますので、そろそろここは交換だなと。そういう注意を払っていれば大きな問題は起こらないですね」

ほかのクルマと違うのはトラブル発生の危険性ではなく、運転の方法だった。

「RRなのでコーナリングではバイクのようなアクセルワークを必要とします。ハンドルを切れば曲がってくれるというものではありません」

愛車を速く走らせるためには、まず頭で考えることが必要でそれがまた楽しいのだと野口さんは言う。

1974年、ポルシェ911が初のフルモデルチェンジを行った。アメリカの連邦自動車安全基準に適合するために大型の5マイル・バンパーが装着され、ビッグバンパーと呼ばれるようになった。特徴的なフォルムを崩さずにデザイン的に昇華させている点が素晴らしい。

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