2020.03.20

CARS

『カーグラフィック』は僕たちの先生だった! 英国車好きは小林彰太郎さんの影響というオーナーのカーライフとは

ロードカーとレーシング、2台のジャガーEタイプがガレージに並ぶ。

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まるでヒストリックカー・ショップかと思うほど立派なガレージの中には、2台のジャガーEタイプ、ロータス・エラン、オースティンA35など、英国車を中心に新谷永さんのお眼鏡に適った動くお宝たちが集結している。しかも、1台を除くすべてのクルマが実動状態にあることにクルマへの愛を感じる。

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クルマ好きにとってのひとつの理想がここにある

同じメイクスとか、同じ国籍とか、同じ年代とか、複数台を所有する場合の“テーマ”はいくつもある。その中にあって、同じ車種のロードカーとレーシングの2台をガレージに並べることは、クルマ好きにとってひとつの理想といえる。この“アイデアル・ペア”をジャガーEタイプで実践しているのが、新谷永さんだ。

2017年にコレクションに加わったレーシングEタイプ。アメリカで長らくヒストリックカー・レースに出場していた個体で、アルミ製のボンネット・フード、張り出したフェンダー、ダンロップ・レーシング・ホイールなど往時のセオリーに則ったセミ・ライトウェイト・スペックに仕立てられている。「ナンバー付きとレーシングカーの組み合わせって結構憧れる」という新谷さん。「クーペが好きなんで、オープンでもハードトップをつけちゃう」のも拘り。

しかもこのEタイプたちは、ただのEタイプではない。シルバーに塗られたシリーズ1.4.2クーペのロードカーは、当時のディーラーであった新東洋企業が輸入した非常に珍しい右ハンドル仕様。もう1台のレーシングの方は、いわゆる“フラットフロア”と呼ばれる初期のシリーズ1クーペなのだが、なんとそのシャシー・ナンバーは“18”と極初期に生産されたものなのである。

「シルバーのEタイプを買ったのは2000年頃。ディーラー車の右ハンドルは非常に少なく、おそらく多くて数台しか輸入されていないと思います。それが専門店に入荷しているのを見つけましてね。ところが、連絡したら売れてしまっていた。そこで“きっと半年したら戻ってくると思うので連絡ください”と伝えたら、本当に戻ってきて買えたんです。お店の方もビックリしてましたよ」

一方のレーシングEタイプの方はボンネットなどをアルミに換え、ダンロップ・ホイールを履くなどのモディファイが施された“セミ・ライトウェイト”仕様で、長らくアメリカのヒストリックカー・レースに参戦していた履歴の持ち主だという。新谷さんはこのレーシングEタイプをガレージに仕舞い込むのではなく、ヒストリック・カーの走行イベント、“鈴鹿サウンド・オブ・エンジン”で、ローラT70やポルシェ910に混じって走るなど、積極的にレース活動を楽しんでいる。

「エンジンが4.2リッターに載せ替えられているのですが、今イギリスで3.8リッターのレーシング・エンジンを組んでもらっています。合わせてギヤボックスもストレート・カットに載せ替えようと準備してあるんですよ」

2台のEタイプを全く違うテイストで楽しむというだけでも、十分羨ましい話なのだが、話はそこで終わらない。実はこの2台が納まっている場所は懇意のショップのファクトリーではなく、れっきとした新谷さんのプライベート・ガレージなのだ。もちろん、背後にあるクルマもすべて新谷さんのコレクションである。

9台分ほどのスペースのある広いガレージはリフトも備わる本格的なもの。自分でメンテナンスする工場のようなスペースが欲しくて20年ほど前に自宅の向かいの敷地に建設したのだそうだ。

その後、10年ほど前にガレージに隣接する敷地が空いたことで、エアコンや水回りを完備したリビングに加え、3台のクルマを納める屋内ガレージと、さらに3台分の駐車スペースを拡張している。

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