ジープ・ラングラー・アンリミテッド、メルセデスベンツG350ブルーテック、レンジローバー・ヴォーグ、トヨタ・ランドクルーザー70、硬派なクロカン4WDにイッキ乗り!
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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回取り上げるのは、硬派なクロカン4WDだけを取り上げた2015年のインプレッションの記事。登場するのはすべて2015年モデルのジープ・ラングラー・アンリミテッド、メルセデスベンツG350ブルーテック、レンジローバー・ヴォーグ、トヨタ・ランドクルーザー70の4台。そもそも軍用に開発されたものだったり、貴族のハンティング用だったり、はたまた未舗装路の日常使い用だったり、この4台は荒野が似合う。いまだに中古車市場で人気のある、ワイルド系SUVにモータージャーナリストの国沢光宏氏が試乗した2015年2月号のリポートをお送りする。FF乗用車ベースのSUVと一線を画す強者たち日本語だと「悪路」と一括りになってしまうものの、未舗装路を示す英語には2つの分類がある。『オフロード』と『ラフロード』だ。前者は文字通り「道路外」を示す。基本的に道という概念じゃありません。後者の場合は「荒れた道」。どんなにガタガタであっても、物流に使われてます。もう少し深く考察していくと、興味深いことが解ってきます。例えばレンジローバー。あまり意識されていないことながら、イギリスの道路舗装率は何十年も前から100%である。
なんで乗用車タイプで走破性能の高いクロカンを必要としたのか? イギリスの地方に行ったことのある人なら解る通り、広大な土地を持っている領主達がたくさんいます。自分の土地の大半はオフロード。以前、レンジローバーの試乗会で領主の家を訪れたけれど、悪路のテストコースのような厳しいコンディションだった。当然の如く高い走破性能を持つ4WD車じゃないとダメ。しかも道路でないため他のクルマなど走らないから、スタックするとお手上げ。ちなみに悪路の移動速度は遅くて良い。そして長距離を走る場合は舗装率100%。お金持ちの領主達は両方で快適でなければならない。ここまで読んだだけでレンジローバーを理解出来ると思う。対極にあるのがベンツGクラスである。NATO軍向けの車両をルーツにしており、快適性より耐久性重視。加えて1979年に登場して以来、車体の基本を変えていない。現時点で世界一ヘビーデューティなクロカン4WDと評していいだろう。
ジープ・ラングラーもGクラスと同じく軍用車を祖に持つ。ただ少数精鋭主義のGクラスと異なり、アメリカらしく大量生産だ。基本的にオープントップだからして屋根を畳めば背が低くなるため、小型輸送機にも積載可能。2回の大きな改良を受け、軍用車のスパルタンな乗り味は薄れたけれど、ドライビング・ポジションを含め、最近主流となってきたFF乗用車ベースのSUVと一線を画す。もう座った瞬間から悪路を走りたくなっちゃう。日本代表のランドクルーザー70は、民生用に進化したクロカン4WDである。主な用途は、未舗装の道の移動。今や他の3モデルのユーザーの大半はほとんど未舗装路を走らない。Gクラスと言えども99%を舗装路で過ごすと思う。一方、オーストラリアや中東でランクル70を買った人の多くは、日常的に未舗装路で移動の道具として使っていることだろう。「タフであること」と「悪コンディションの運用時でのランニングコストの低さ」が要求される。長い前置きになった。以上、頭の隅で覚えておくとクルマの雰囲気がググッと理解しやすくなることだろう。▶エンジン・バックナンバーおすすめ記事をもっと見る
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