ライバルは新型センチュリー　レクサスが誇る2000万円の超高級ミニバン「LM」の導入開始

関耕一郎

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レクサスがラグジュアリー・ムーバーを名乗る超高級ミニバン、「LM」を日本市場へ初導入。その受注を開始した。LM自体は2020年に中国などで販売開始した初代に続き、今回の新型で2代目となる。

アルファード&ヴェルファイアの兄弟車

基本的な構造は先に販売が開始されている新型アルファード&ヴェルファイアと共有しているが、エクステリアやインテリアをはじめ、レクサス・モデルにするにあたり様々な変更が加えられている。

エクステリアはレクサス専用デザイン

エクステリアはレクサス・オリジナルのデザインを採用。フロントまわりはグリルに外板色をあしらいボディとの一体感を表現。また、グリルやフード、ライト、バンパーの段差を減らし、空力や冷却性能を高めている。

ボディ・サイドは水平基調とし、ベルトラインを低く水平にすることで安定感を演出しつつ後席からの視界を確保。ピラーをブラックにすることでフローティング・ルーフ・デザインとしつつ、後端はテールライトとの連続性を持たせた。

全長は5m超え

リア・フェンダーの抑揚はバック・ドアまで回り込む造形で、テールライトは左右が連続した形状を持ち、中央にはレクサスのロゴが配される。リア・ウインドウは傾斜をつけて、シルエットの伸びやかさを強調している。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高＝5125×1890×1955mmで、ホイールベースは3000mm。全長と全幅はアルファード&ヴェルファイアよりもひと回り大きい。ボディ・カラーは、ソニッククォーツ、ソニックチタニウム、ソニックアゲート、グラファイトブラックガラスフレークの4色を設定している。

室内後部は2人だけのための空間

キャビンは後席2席の4人乗りのみの設定。前後席間にはパーティションが設けられ、上部の遮音ガラスには開閉と調光の両機能が備わる。また、パーティションの骨格の一部にマグネシウムを用いることでボディの強度アップを図っている。

パーティション内には新規開発の48インチ大型ワイドディスプレイを装備。前後席で共通のコンテンツが視聴できるほか、左右それぞれのHDMI端子に接続した2台のPCから異なる内容を同時に表示できるなど、多様な使い方ができる。ディスプレイ下の中央には500mlペットボトル6本が収まる冷蔵庫を設け、左右にはグローブボックスやアシスト・グリップ、傘立てもパーティション内に配している。

後席にはレクサス初のリア・クライメイト・コンシェルジュを採用。4つのプリセットとカスタマイズ・メニューに応じて、エアコンやシートのヒーターとベンチレーション、4ウェイ電動シートの調整とリラクゼーション機能、サンシェードと照明を統合制御する。操作はスマホのような、脱着式のリヤマルチオペレーションパネルで行う。内装色は白系と黒系の2色から選べる。

2.4リッター・ターボ・ハイブリッド

プラットフォームはクラウン・クロスオーバーなどにも用いられている大型FF車用の新「GA-K」で、主要骨格に高張力鋼板やホットスタンプ材を採用。さらにリア床下ブレースなどの補強部材や接合の適正化を図り、従来型よりボディのねじり剛性を約1.5倍に高めている。いっぽう、スライドドアはアルミ化して重量を削減した。車両重量は2460kg。

サスペンションはフロントがストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式。軽量で高剛性な部材やレクサス初の周波数感応バルブ付き可変ダンパーを採用。走行モードには後席の快適性を高める「リアコンフォート」モードをレクサスとして初設定している。タイヤは鍛造ホイールに履く225/55R19が標準仕様で、オプションの225/65R17にはアウターリムの中空化で気柱共鳴音を低減するノイズリダクション・ホイールが組み合わされる。

パワートレインは、クラウン・クロスオーバーの「RS」系と同じ2.4リッター直4ターボ・ベースのパラレル・ハイブリッドでリアに後輪駆動用のモーターを持つ電気式4WDを採用している。トランスミッションは6段AT。パワートレインの出力はそれぞれ、エンジンが275ps/460Nm、フロント・モーターが87ps/292Nm、リア・モーターが103ps/169Nmで、システム出力は371psで、0-100km/h加速は8.2秒、WLTCモード燃費は13.5km/リッターをマークする。

グレードはLM500hエグゼクティブの1機種のみで、価格は2000万円。発売は12月下旬ごろを予定している。