2022.09.25

CARS

BMXのトランスポーターとして大活躍のルノー・カングーと緑のポルシェ911カレラ2の2台持ち! 納屋のような木造ガレージは大事な遊び場

ポルシェ911カレラ2(1990)とトランスポーター代わりのルノー・カングー(2004)。

全ての画像を見る
きっかけは東日本大震災

advertisement


転勤中に息子の圭都くんが生まれ、子育てにはスライド・ドアがあった方が……という奥様の要望で、ゴルフは2代目ルノー・カングーになった。そうして106とカングー、1028の3台体制で落ち着いた頃、あの日がやって来た。2011年3月11日。東日本大震災だ。幸い愛車たちも、母屋も、ガレージも被害はなかったが、震災は祐介さんの意識を変えた。

千葉在住の前オーナーから、福島までの電車代で譲り受けたという2004年型初代ルノー・カングー。入手後足まわりのブッシュやエンジン・マウントなどに手を入れ機関は好調。ホイールは純正の鉄製を白く塗装したように見えるが、実はこれはブリヂストン製の軽量ホイール、スーパーR.A.P。ブレーキ・キャリパーをよけるためにスペーサーとロングボルトを使用している。

平凡だと思っていた日々こそ、実は非凡な、特別な、かけがいのないもの。“平凡は非凡”。奥様から聞いたというこの言葉を胸に、幼い圭都くんとの時間を大切にすることと、一番欲しかったクルマを手に入れるために、祐介さんは努力を重ねる。

そうして106の代わりにやって来たのが、グリーンのポルシェ911カレラ2だ。奥様の2代目カングーは、圭都くんとカブト虫を捕ったり野山を駆けまわるためのスズキ・ジムニーを経て、今はマツダ3になった。911で菅生やもてぎなどサーキットへ通ったりもしたし、奥様と近くの温泉にも行ったりしたいとは考えているが、現在はご自身のクルマ遊びはお休み中だという。圭都くんと一緒にモトクロス・バイクやBMX、スケボーを楽しむのが、今の祐介さんの一番の喜びだ。

「近くにバンプトラックというBMXやスケボー専用コースがあるんです。子供と遊べる時間って、本当に短いですからね。それにこの年になると、新しい挑戦も楽しいんですよ。子供と一緒にやろうと思ってスノーボードを再開したり……。縁あって手に入れた初代カングーは、もう完全にBMXを運ぶためのトランポなんです」

車体をしならせ、斜めになりながら進むBMXの体感速度はそうとうなものだとか。ではあと5年もして圭都くんが免許を取ったら、オススメはなんでしょう、と尋ねると、彼は「やっぱりそれぐらいのタイミングなら現行ロードスターがいいと思うんですよねぇ」と微笑んだ。どうやら柴田家流のテールスライドの極意は、間違いなく親子代々受け継がれていくことになるに違いない。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

▶「ポルシェのおすすめ記事」をもっと見る

▶「愛車とガレージ」おすすめ記事をもっと見る


スケボーやBMX用のヘルメット、天井からつるされたヴィンテージのロードサイクル、そしてなぜか好きだという大きな木箱や工具がとてもセンス良く並ぶ柴田さんのガレージ。

(ENGINE2022年2・3月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement