2022.10.08

CARS

後輪駆動の手頃なスポーツカーはなぜお父さんたちにウケるのか? マツダ・ロードスター、GR86、BMW 220i アンダー550万円の“ひと味違う”クルマ選び【後篇】

FRのいわば古典的なスポーツカー、マツダ・ロードスター990S、GR86RZ、BMW 220iクーペMスポーツ

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電気自動車が台頭し、純内燃エンジン車の終焉が近づいていることをひしひしと感じる今日この頃。けれど、クルマ好きが楽しめる純内燃エンジンのスポーツカーは、アンダー550万円でもたくさんある!そんな中、フロント・エンジン&リア駆動、いわゆるFRのいわば古典的なスポーツカー、マツダ・ロードスター990S、GR86RZ、BMW 220iクーペMスポーツの3台にモータージャーナリストの島下泰久、藤原よしおとエンジン編集部のムラカミ、ウエダの4名が試乗して座談会を行った! 今回は前篇のBMW 220i、GR86に続いて、マツダ・ロードスターを取り上げた後篇をお送りする。◆先に【前篇】から読みたい方はコチラ!

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マツダ・ロードスターは大人でマニアック!

藤原
 GR86が350万円以下で買えるのは幸せだなぁ。ただ、全体からほとばしる青春感がおじさんにはちょっと眩しい……。


島下 そうですか? 僕は青春真っ盛りなんで(笑)。

3代目ロードスターの2021年のマイナーチェンジに先駆け、ファン・イベントでお披露目された990Sは、ラインナップ中最もシンプルなグレードの“S”をベースとしたモデル。

村上 僕も86はちょっと眩しい。それに比べるとマツダ・ロードスターの方がエイジレスな感じがある。

藤原 乗ってもメーター・ナセルの中の景色がクラシックだから落ち着いて見えますよね。

村上 老若男女問わない。幅広さがロードスターの良さだよね。

島下 86は中学生部活男子みたいな(笑)。でも86はGRの溌剌としたものの代表だから、車高を落として乗ればいいんですよ。

上田 そういう意味でもロードスターは大人っぽいですよね。

室内の空調吹き出し口の周囲が青になるほか、ダンパーやスプリング、パワステのセッティングも専用となっている。

村上 足が柔らかすぎるという意見もあったけど、ロードスターはあれでいいんだと思う。

藤原 最初、感覚的に軽すぎるって思ったんです。必要な質量、質感に欠ける感じ。でももう一度オープンで乗ってたら「ああ、これでいいんだ」って思い直しました。

島下 全開になんかしないで、ヒラヒラとドライブを楽しみましょうよ、と。そういうシチュエーションで最高のものになってる。

藤原 マツダ・ロードスターってロータス・エランじゃなく日本のMGBなんですね。ピュア・スポーツではなく、あくまでオープン・エアを楽しむカテゴリーとしてのロードスター。

村上 あと僕が感心したのは、近年マイチェンでフェイスリフトをしなかったのはロードスターとアルピーヌA110だけで、その代わり本当に中身がわかる人にしかわからないところをちゃんと変えている。車体の姿勢制御をするKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)なんてコロンブスの卵みたいなシステムだもんね。そういう大人の進化のさせ方をできるのが長年やってきたロードスターの強みですよ。

藤原 歳を取れば取るほど良さがわかるかもね、990Sは。

島下 侘び寂び系でオタク。まさに日本じゃないか! って。

上田 アンダーパワーなのを足りないなー、と思いながら、いかにスピード落とさずに運転するか考えながら走れるのもマニアック。

島下 そんな990Sが売れてる。おじさんが群がってる(笑)。

村上 一方でリトラクタブル・ハードトップのRFも売れてるんですよ。軽いのにも、重いのにもKPCは効くからね。

上田 RFの革内装でもぜんぜん550万円以下。ロードスターと86は全グレードが射程圏内ですよ。

◆BMW 220i、GR86はおじさんたちにどうしてウケるのか? 前篇はコチラ



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